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沖縄タイムス 障害にもめげず可能性広げる 自分らしさ発揮 会社経営

自分らしさ発揮.jpg沖縄タイムス2004年7月27日掲載 障害にもめげず可能性広げる

自分らしさ発揮 会社経営 両義足の島袋さん

交通事故で両ひざ下から先を失いながらも、自動車整備会社の社長として敏腕をふるう男性がいる。那覇市首里大名町の島袋勉さん(41)だ。このほど市障害者福祉センターで開かれた勉強会で講演。「障害を負って可能性が広がった。ほかの人と同じことができなくてもいい。自分らしさを伸ばしてほしい」と、個性を尊重することの大切さを笑顔で訴えた。

島袋さんが事故に遭ったのは三年前。県内で情報関連会社を起業するため米国を視察し、帰国して間もない四月のある日、千葉県内の踏み切りで電車にはねられた。一命は取りとめたが、両足のひざ下から先を切断したほか、頭を強く打った影響で事故前後の記憶喪失や物が二重に見える障害も抱えた。妻の順子さん(38)は「半年ほどは悪い夢じゃないかと状況を受け入れられなかった」と振り返る。絶望のふちに立っていた。

そんな島袋さんを変えたのは、義足の製作やリハビリのために入院した長野県や埼玉県の病院での日々。1998年冬季五輪の舞台となった長野では、島袋さんより障害の重い人たちが雪山を特注のスキー板で滑降。全盲の病院職員が、相談業務で絶大な信頼を得ている姿も目にした。

「足はないし、記憶障害もあるかもしれないが、自分でも周りの人に勇気や元気を与えられる」。島袋さんに自信が戻った。「残っている機能を鍛えよう」と事故前より体を動かす機会を増やし、自分のできることに全力を尽くした。

現在は西原町内にある自動車整備会社の社長で、従業員二十五人を抱える。外回りができない代わりに、コンピューターを使ったデスクワークなどでリーダーシップを発揮。一方で「足が痛むなど体調が悪い時は、我慢せずすぐに帰宅して体を休めている」と、周囲に気遣いさせないこだわりもあるという。

このほど市障害福祉センターであった障害者の就労を考える勉強会では「人間はやる気になれば何でもできる。将来を悲観しないでほしい」と体験談を披露。説得力のあるアドバイスに、フロアの参加者からは「障害者の雇用拡大に向けた成功例として頑張ってほしい」と激励の声が上がった。

 

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