« 前へ | トップページ | 次へ »

Aloha Street 「義足のランナーホノルルマラソンへの挑戦」

▼アロハストリート:
「義足のランナー ホノルルマラソンへの挑戦」

「義足のランナー ホノルルマラソン42.195kmへの挑戦」
島袋勉 ・栗田智美 著

 はじめて島袋さんのことをアロハストリートでご紹介したのは、2004年暮れのこと。旅行会社さんから情報をいただき、沖縄の島袋さんに電話インタビュー。両足義足でホノルルマラソンを完走したランナーが実在したことを記事にさせていただいきました。その記事に対する反響はとても大きく、あちこちからリンク依頼が来たり、感動のメッセージが届いたり、私たちもビックリ。
  そして、このほど、島袋さんと妹である栗田さんが、自らの体験をもとに本を出版されたとのこと。2005年に2度目のホノルルマラソン体験を済ませたばかりのおふたりに、テレビ出演や出版に関するお話をうかがいました。

■2年連続ホノルルマラソン完走おめでとう!
編集長: 昨日マラソンを終えたばかりですが、皆さん、お元気ですね!
栗田: 編集長も(笑)。今年は2度目なので、だいぶ慣れましたね。
島袋: 実は2005年は、ニューヨークやバンクーバー、久米島でのマラソンにも出場したので、ずいぶん去年のホノルルの時とは状態が違いますね。
編集長: 実は昨日走りながら、島袋さんを発見しているんですけど、あまりにも早い時間にすれ違ったので、え、もうひとり義足の人がいるのかなあ、と、疲れた頭が混乱して声をかけそびれてしまったんですよね。

▲リハビリからマラソン挑戦まで、島袋さん(中左)を全面的にサポートする妹・栗田智美さん(右)とご主人の宣明さん(左)
島袋: (笑)昨年は12時間59分でしたが、今年はずいぶんと縮めることができて、7時間52分でゴールしました。
編集長: わー、ものすごい進歩! 私は年々練習量が減ってタイムが落ちる一方(笑)。見習わなくては。
栗田: アロハストリートさんに載せていただいたことをきっかけに、テレビなどでも取り上げられたせいか、本当にいろんな方に声をかけていただいてうれしかったですね。
編集長: 地元のニュースにも出ていらっしゃいましたしね。今年は皆さん、待ち構えていた感じで、すっかりハワイでも有名人ですよ。
島袋: ホノルルマラソンは、やはり応援の皆さんの熱気が感じられて、あたたかさが印象に残ります。
栗田: 昨年は心配で心配で、それだけだったのですが、今年はもう、ある程度できることもわかっているので、逆に私自身が、ランナーとしてホノルルマラソンを楽しむことができた気がします。「人間一度経験すると強くなるな…」と自分でも思いますね。
島袋: どんなに痛くて痙攣が起きても、時間が経過すれば回復するとわかっているから、気持ちが違いましたね。

▲宣明さんが撮影した島袋さんのランニング姿。なぜかとても楽しそうです。周りからも応援が飛び交います。
編集長: 昨日も今日も、たくさんの完走者が足をひきずりながらワイキキを歩いているのですが(笑)、おふたりは全然なんともないですよね。島袋さんも、ふだんは杖もなく、短パン姿でなければ、義足であることにも気づかないと思います。
島袋: やはり義足との接触部分とかに痛みはありますよ。でも、初体験で筋肉痛というのとは違うので、歩くのに支障は感じませんね。


■テレビ出演から本の出版へ!
編集長: 実は昨年、記事を掲載させていただいた時は反響がすごくて、感動しました、という方や、ぜひリンクさせてください、という大手のウエブサイトさんなどから、いくつもメールをいただいたんです。
島袋: そうでしたか。
栗田: 私たちも、帰国した後、アロハストリートに掲載されている記事を読んで、「本当にお兄ちゃん両足義足で42.195km完走したんだ…」と涙、涙でした。足の痛みに耐えながら、あきらめなかった兄のスピリットを思い出しました。
島袋: 本当ですね。たくさんの方の声援は、私だけじゃなくて、家族にとっても力となっています。ありがとうございます。

▲著書の中の写真を見て、思い出深そうに語る島袋・栗田兄妹。ホノルルマラソン翌日にもかかわらず、ふたりに疲れは見られません。
編集長: その後は、テレビにも出演されて。
島袋: ええ、私の事故から、リハビリ体験、ホノルルマラソン出場までの経緯を、フジテレビの「奇跡体験!アンビリバボー」さんが取り上げてくださったんです。
栗田: その後、この実話を本にしたいとの声をたくさん頂いて、12月1日に「義足のランナー・ホノルルマラソン42.195kmの挑戦」を出版することなりました。島袋勉・栗田智美の共著という形で、交互に章を書いています。
編集長: 会社の社長さんでもあられる島袋さんですが、会社のニュースレターでも、「あきらめないで 夢は叶う!」と訴えていらっしゃることにとても感動しました。小学校や中学校での講演会も毎月のように行われているようですね。無限の可能性を秘めた子供たちへの影響は計り知れないものと想像します。
島袋: ええ、私自身、あきらめなければ夢は叶うものだということを身をもって体験しまして、その感動をくださった皆さんに感謝するとともに、たくさんの人にそのことをお伝えしたいと思っているんです。私が走ることで、皆さんの夢の実現に少しでもお役に立てるのなら、と。
栗田: 最初から無理とあきらめてしまっていたら、マラソンの完走もなかったわけです。とにかくやってみよう、と挑戦する兄のスピリットを、たくさんの方に知っていただければ、本当にうれしいですね。


■マラソンから登山へ広がる「あきらめない」スピリット
 インタビューから数日後、日本へ戻った栗田智美さんから、メールをいただきました。そこにはまた驚くばかりのことが書かれていて、私もコンピュータの前で唖然…。島袋さんのチャレンジング・スピリットは、尽きることを知らないようです。メールの内容を一部抜粋して、ここに転記させていただきましょう。
                     ◇                     ◇

 「ホノルルから帰国後も、兄はエネルギッシュに活躍しています。兄は来春にはエベレスト登頂の予定をしているので、アルゼンチンのアコンカグアへ登山訓練に出かけました。自分の必要物をリュックに背負い6,900メートル以上もある山に挑戦です。」

 「事故前から、エベレスト登頂はしたいと申しておりました。が、両足がなくなってもあきらめていません。高山での神経や身体へどのように影響するか。切断部の状況を確認して対処方法を考えると。今回はプロの方が同行してくださいますが、山の知識はある方が一緒なのは嬉しいです。兄は自分で義足を分解し、調整して登る予定です。1/14帰国予定ですが、問題をたくさん発見して対処方法をぶつぶつ考える日々となりそうです(笑)。」

インタビューを終えて

 交互に島袋さんと栗田さんが書かれる、という珍しい構成ですが、でもだからこそ余計、状況が立体的に浮かび上がって、周りで心配されるご家族と、前向きにリハビリに取り組む島袋さんの心境をリアルに感じることができました。ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊ですね。
 次はなんとエベレスト登頂に挑戦中という島袋さん。遠くホノルルから、スタッフ一同、応援しています!

ご感想やメッセージを、コメントやトラックバックでお気軽にお寄せください。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメントする

プロフィール

講演依頼を希望される方へ