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琉球新報 忘れられない 『痛みから学べ』と母

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琉球新報 2007年4月12日掲載

忘れられない日 『痛みから学べ』と母

電車事故で両足を切断し、痛くてたまらなかった。腹筋の力で足を上にするのが一番楽な姿勢で、痛さのあまり夜は睡眠薬を服用していた。社会復帰できるのか、将来に対する不安が募った。入院した病院が変わり、母に病院の電話番号と病室を伝えようと電話した。

「痛い?」と当たり前のことを聞く母に「痛いよ!」と答えた。母は「こんなに痛い思いをして何も学ばなければバカだよ」と甲高い声を上げて笑った。その言葉が胸に焼き付いて、その日は睡眠薬をもらわず、徹夜でその言葉の意味を考えた。

見つけた答えは「僕は、ほかの人がしたくてもできない特別な経験をしたんだ」。それから、過去の自分と比べることをやめ、僕しか学べないことを楽しんで学ぶようになった。病院の周りには、リンゴ畑の白い花がきれいに咲いているのが見えた。(ラシーマ社長)

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