富士ニュース 夢をあきらめない 両足義足のランナー 島袋勉さんが講演会
富士ニュース2008年2月20掲載
夢をあきらめない
両足義足のランナー島袋勉さんが講演会
沼商ふじの会は18日、富士市の広見小学校で両足義足のマラソンランナーとして有名な島袋勉さんによる講演会「夢をあきらめない」を開いた。三年生以上の児童と一般聴講者計七百人が講演を通じて、どんな状況になってもあきらめないことの大切さを学んだ。
島袋さんは七年前、踏切事故で両足を失い、記憶や視力にも障害を負いながらも、現在世界の各種マラソン大会に出場し活躍しているランナー。
2004年のトリムマラソン(3㌔)を皮切りに、これまで28回の大会に出場している。17日に行なわれた東京マラソンにも出場した。
講演で島袋さんは、事故から立ち直り、マラソンを始めるまでの苦労や、そこから学んだことを披歴。
マラソンをやろうとした当初は「両足義足でマラソンをした人はいない」「絶対に無理」など周囲から大きな反対を受けたが、「自分が最も苦手なこと、辛いことをあきらめたくない」と決意を固めたことを伝えた。
マラソンをするために、自ら義足を解体して研究したほか、体に負担をかけずに走る方法を探ってきたことについてさまざまなエピソードを紹介。
30㌢の大きな靴をひざに反対に履いて歩けば、ひざで立って歩いても痛くないことを示した。
自身の経験から感じた、生きていく上で大切なこととして
▽夢、やりたいこと、目標を持つ▽周りが無理といってもあきらめない▽苦しい時に言い訳をしないー挙げた上で「人はいつどんなことが起こるか分からないもの。やりたいことを先延ばしにしないで必ず挑戦して」と訴えた。
児童と島袋だんが一緒に走る時間も設け、両足義足で走る島袋さんの姿に「すごい」「速くてびっくりした」の声がもれていた。
質問の時間には「これから挑戦したいことは?」の問いに島袋さんは「登山に挑戦していて今はエベレストに登るための準備を進めているよ」と答え、児童を驚かせた。
沼商ふじの会では毎年島袋さんを招いて市内の学校や公民館などで講演会を開いている。
同日夜には広見地区生涯学習推進会の招きで講演し、19日には吉永二小、鷹岡小、東公民館の三カ所を訪問した。
写真:ひざで立って歩いたエピソードを紹介する島袋さん
写真:児童の質問に答える時間も
写真:多くの児童から握手を求められて
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