沖縄タイムス 「孫と聞いた講演会」
[
]
毎日、孫の学校生活の様子が分かるお便り袋を見るのが楽しみだ。過日、その中に「義足のランナー島袋勉「さんの講演会」のお知らせがあった。お話が聞けることを孫と喜んだ。
その日がやって来た。両足義足のままの入場で全児童の度肝を抜いた。壇上に上がると静かな口調で、電車事故に遭い両足が切断されて、ないはずの足が痛み始めたことから、今でも消えることはない痛みとも。義足を児童の前にさらけ出すと疑視する子供たち。それでも流ちょうに四肢と記憶と視覚障害を背負いその克服の歩みを遂次語り続ける。
三つの障害克服のために「現状を受け入れること」を学んだ島袋さんは、それを表現するため「足を羨まない、言い訳をしない、自分の悪いことは隠さない」の三つの行動を実行した。そして「今自分にできること」として「走りたい」の実現に取り組む。車いすからひざで歩くへと進むがどちらも不都合が生じ義足へと。演習にバトミントンを選び念願のマラソンへ。血のにじむ努力はホノルル、ニュヨークと30数回をこなすランナーに。ゴールの喜びがある限り走り続けると強調した。
最後に体育館内を走った。その速さに「オゥー」と南っ子は息をのんだ。そして感動の拍手がわく。「速くく走るためにではなく(夢をあきらめない)ために」と演題を体全体で示し、60余人の父母も参加した講演会は終る。二人の孫も義足の速さに感動。夢は「がんばりノート頑張るね」と小さな声で言った。(読谷村 65)
ご感想やメッセージを、コメントやトラックバックでお気軽にお寄せください。
トラックバック(0)
このブログ記事に対するトラックバックURL:
コメントする