「島袋勉さんと共に」
2009ツール・ド・おきなわ 本島一周サイクリング 初日スタートからゴールまで一緒に前進してくれた兵庫県伊丹市在住の大谷さんより「島袋勉さんと共に」が届きました。
(写真は栗田智美が記録写真より挿入しています)
★島袋勉さんと共に:大谷より
10月27日に本校で島袋勉さんに講演会をして頂きました。
逃げずに真正面からチャレンジし続けておられるそのお姿に
感動しました。
その夜、仲間の先生方と勉さんを囲んで夜遅くまで
心に響くお話を伺いました。
しかし、人の話を聞いて感動しているだけでは...。
共に汗を流し、共に苦しみを共感したくなりました。
11月7・8日、ツールド沖縄で本島一周315kmサイクリング
に出場されるということで、ぜひともサポートさせて
頂こうと一人勝手に決めていました。
初日190km、名護から上半分を走ります。
AM7:00にスタートし、
PM8:30に二人だけでゴールしました。
13時間半のドラマでした。
スタートして5分後の信号で勉さんは思い切り転倒されました。
義足をペダルにくくりつけているため、急にはずすことが
できません。それから、私が支えの棒の役になる覚悟が決まりました。
海沿いの道は最初だけでほとんど峠でした。
20までは数えていましたが、30はあったと思います。
坂道では、電池が切れた機械の様にバタッと転倒されます。
坂道発進ができないため、その後は押して上るしかありません。
その苦痛の表情と呼吸を隣で感じるだけで、胸が痛くなりました。
1時間おきに義足をはずされ、血の循環をよくさせるために
足を上に向けて寝転びます。その際、悲鳴のような
声を出されていました。
写真や映像では、そのシーンは決して見せないのだと存じます。
後半はペダルをこぐ度に、義足がずれている音がしました。
しかし、歯を食いしばっているお姿を見ると、
涙が止まりませんでした。
最後の峠の入り口の制限時間が17時30分でした。
過ぎると強制的に車でゴール地点まで運ばれます。
私は何とかその時間までに勉さんを誘導したいと
そればかり考えていました。
しかし、一こぎ、一こぎに大きな痛みを感じながら
ただひたすらペダルをこぎ続けておられるお姿を拝見し、
時間を気にしている自分はなんて小さいのだろうと思いました。
速いとか遅いとか、
勝つとか負けるとか、
そんなことは、とてもとても小さなことでした。
正に、人生そのものだと感じました。
命を削って、自分と闘っている方に
かける言葉などありません。
車で応援して下さっている妹さんは笑いながら言いました。
「兄は夜中になろうが、朝になろうが、
真っ暗な山道をはってでも、一人でも行く人です。」
感涙しました。
満天の星空を眺めながら
妹さんの車のハイビームに照らされながら
勉さんと二人で超えた真っ暗な峠は一生忘れません。
道中いろんなことがありました。
坂道で仏様のようなおばあちゃんに出会い、
優しさを感じることが出来たのも、
勉さんが坂を押して歩いて下さったおかげです。
沖縄のきれいな星を眺めながら
自転車に乗ることができたのも
勉さんが最後まで頑張りぬいて下さったおかげです。
勉さんの痛みや苦しみの1000分の1すら
感じることが出来ませんでしたが、
ずっとそばにいれたことが
何よりも嬉しかったです。
感動の話、感動の映画たくさんありますが、
自らの体感に勝るものはありません。
最高でした。
ありがとうございます。
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大谷先生からメールで文をいただき、今、HPで読ませていただきました。先日、大谷先生にお誘いいただき、ピネ亭でお話しさせていただき、少し分かったつもりになっていた自分に、「そんなものじゃない!」と言っていただいた気がしました。ありがとうございます!
まずは、「決める」「考えてから、決める」そう、また教えていただきました! ありがとうございました! 京都:音川誠一郎