登山客であふれる高尾駅からバスに乗って約10分。周囲を山で囲まれ、ところどころに畑も見える長閑な住宅地の一角に、スケルトニクスのラボはある。スケルトニクスは、世界で初めて人間が装着する搭乗型外骨格スーツを開発したベンチャーだ。
住宅街の中にあるラボの前にたどり着いた時、思わず「おっ」と声を上げてしまった。全長2.6メートルのロボットスーツが2体、ラボの入り口から表通りを見下ろしていた。一瞬、足をすくめてしまうほどの迫力がある。
一目見て、映画『エイリアン2』のラスト、エイリアンと主人公の女性リプリーが壮絶な戦闘を繰り広げる場面で、リプリーが装着していたマシン「パワーローダー」を思い出した。その印象を伝えると、スケルトニクスのCEO、白久レイエス樹は微笑んだ。
「見る人の世代によって、印象が違うのかもしれません。僕は最初にこのロボットを作った時、『攻殻機動隊』のアームスーツに似てるなって思たんですよ」
高専6年生の時に投稿した動画で一躍有名人に
白久とふたりの友人(ひとりはスケルトニクスCTOの阿嘉倫大)が、人力以外の動力を必要としない搭乗型外骨格ロボットスーツ「スケルトニクス」の初号機を完成させたのは2010年12月、3人が沖縄高専6年生の時だった。3人は初号機を装着し、動かしている姿を「ニコニコ動画」に投稿した。「アームスーツっぽいものを作ってみた」と名づけられた動画は、あっという間に拡散し、視聴回数はすぐに10万回をオーバー。3人は、一躍、ニコニコ動画内で有名人になった。
この初号機の誕生から5年。25歳になった白久はいま、盟友の阿嘉CTOとともに、世界のどこにもない、まったく新しい搭乗型可変ロボットスーツ開発している。
その名は「エグゾネクス」という――。
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