痛みが緩和すると「来年は麓から頂上を目指す!」と決意
★富士登山レポート
2008 年8月13日(水)「富士山へ出発」am 8:00那覇空港発のフライトで羽田空港へ。羽田空港より山梨県富士吉田駅へ。
今回は義足の課題に取り組むため兄は富士山へ一合目から単独登山に挑戦。吉田口登山道から馬返へ。馬返を15:00出発。一合目に到着する頃はすでに装着しているライナーの中は汗がいっぱい。
二合目から少し涼しい風が流れてきました。
木漏れ日の中ひたすら前進。
兄はどうすれば足の骨が軽減できるか?それだけを考えている様子。
四合目からお天気が崩れ出し、雨と風が・・・。
滑る足場を前進し続け、里見平まで!
14日(木)里見平~八合五勺の山小屋「御来光館」まで登山。
15日(金)日の出に間に合うよう登頂予定。それから下山。
富士登山記録 ↓
2008年8月14日(木)am8:30
五合目の里見平★星観荘出発。急斜面の岩場が続く中、汗をビッショリかきながらひたすら前進。兄を見ていると自然に義足が動いているように見えるのですが、義足の足分は足首の機能も感覚も無いのですから重心移動の度に頭で考えながら次の足場を考え腕の力で一段一段。 気持ちで負けると、もう一歩も前進できないだろうな・・・と見ていました。思うように義足が岩場から抜けなかったりバランスを崩しては独り言をブツブツ語りつつグルグル頭を回転させつつ前に腕を出して前進。 もうすぐ七合目!上を見て前進。ゴツゴツした大岩の後は小さな岩がとても嬉しそう。足の痛みと暑さ。急に霧が発生。それでもしっかり一歩一歩前に。 七合目を過ぎると、更に課題がたくさん。岩も不安定・・・。義足のソケットの中の断端部は真っ赤。標高が高くなると義足の中の足も脹らんでくるようです・・・。
頭をグルグル回転させながら、どうやれば義足のソケットの中の骨の痛みを軽減させられるか?の重心移動。八合目を過ぎると断短部が脹らんできて、義足を脱ぐともう入らないかもしれないので、脱がずに前進。
だんだん空に近づく。八合目を過ぎると気温が下がる。義足のライナーを脱いで汗を拭きたいようですが、脱ぐと脹らんだ足が入らなくなるので、八合五勺の御来光館を目指して上へ。
ソケットから断端部を出せないまま、圧迫され痺れた状態で前進。ソケットに断端部の骨があたり激痛で兄(島袋勉)の頭は朦朧としている様子。
腕の力で一歩一歩前へ進み続け予定通り無事八合五勺の上にある御来光館へ到着。
am2:28に真っ暗な強風の吹く富士山頂に無事到着。
強風にあおられ真っ直ぐ立つのがやっと。日の出まで待機できる場所を探し、寒さ対策をあれこれと工夫し考える兄(島袋勉)と私(栗田智美)。
友人とも無事に頂上で会えました。
am4:50頃からうっすらと独特の色の光り。そして美しい日の出。
畏怖の念を感じる大空と雲そして太陽の輝きでした。
★下山後の兄(島袋勉)のコメント
山から降りて日常の生活に戻ると、感謝出来ることがたくさんあることに気付かされます・・・(笑)
登山中、汗と激痛と痺れで義足を一旦脱いでしまうと、再度装着しようとしても、今度はうまくいかず、さらに激しい骨の痛みが出てくる・・・、そんな状況を何度も経験しました。だからこそ、平面のスペースがあるだけで「義足のソケットに真っ直ぐ断端部を入れられる...!」と嬉しくなリますし、山腹から下界へ降りてくると、義足のソケットが真っ直ぐ入ることが当たり前のことではなく「ありがたい」と、感謝できるようになります。
骨に激痛が出たり、ソケットに断端部を入れる時の擦れる痛み...等々がとても苦しく、激しい痛みで頭も回らなかったのですが、一日寝てみると「今度はどうやって挑戦しようか・・・」と又々登りたくなることが自分でも不思議に感じます。
激痛は時間が経過すると記憶の外に薄れていき、登頂後の充実感や登山の過程で学んだことは時間の経過で深まっていく・・・そんな気分です。
写真左:富士山頂上:すごい風が吹いていて、立っているのもやっとでした。
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