台風の影響で岸壁に激しく打ち付ける波＝２１日午後、沖縄県南大東村

　【南大東で真栄城潤一】２２日未明にも台風２１号が最接近する沖縄県南大東村では２１日、午前から村民らが台風に備えて食料品などを買い込んだり、避難したりする様子が見られた。大東島地方には午前１０時３２分に暴風警報が発令された。最接近に向けて雨風が強まる中、夕方からは村の避難所に避難する村民もおり、不安げな表情で夜を迎えた。

　南大東村では２１日午後１０時現在、２カ所の避難所に１６世帯２１人が避難している。北大東村では５カ所に避難所を設置し、２１日午後９時３０分現在、２１世帯３３人が避難している。

　朝から断続的な雨が降る中、ＪＡおきなわＡコープ南大東島店で買い物をした當間江利子さん（６６）は「水、米、野菜が中心。台風のたびに買う物は大体決まっている」と話す。「台風が年々強くなっている気がする。今回の（台風２１号）は勢力が強そうなので、停電が心配だ」と語り、家路を急いだ。

　同店の山下典子店長は「昨日（２０日）昼ごろに乳製品、加工品が入荷したが、すぐに売れてしまった。野菜はまだ比較的多めに並んでいるが、売れたら次の船を待つしかない」と厳しい表情を浮かべた。２０日に２５０本以上、島内に入荷された牛乳は、学校給食用と店頭販売分で約１時間でなくなったという。

　夕方ごろに南大東村多目的交流センターに避難した宮城栄蔵さん（８５）は「風速６０メートルを超えるというから、１人で古い家にいるのは怖くて念のため避難した」と話した。農業も営む宮城さんは台風について「ちょっと雨を期待したんだけど、思ったより降ってないね」と苦笑いした。