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琉球新報 両足義足でホノルルマラソン走破 島袋勉さん

両足義足でホノルルマラソン走破 島袋勉さん2005年1月8日

 

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  【西原】3年半前に大事故で両足を失った島袋勉さん(41)=那覇市=が、昨年12月にハワイのホノルルマラソン2004に出場、義足で42・195キロを走り切った。義肢製作所やギネスブックからは「考えた者すら聞いたことがない」とまで言われた両足義足でのフルマラソン挑戦。島袋さんは「やってみなければ分からない。限界をつくってはいけない」と、完走メダルに胸を張る。
  島袋さんは2001年4月、出張中だった東京都内の踏切で転倒し、通過した電車に足首をひかれた。両ふくらはぎから下を切断。埼玉県の国立リハビリテーションセンター病院などで懸命の歩行訓練に励んだ。
  昨年11月には、県総合運動公園で開かれた中部トリムマラソン大会で、3キロの部を完走。「夢はホノルル」と意欲を見せた。障害に負けない前向きな姿に大喜びした周囲も、夢の実現はさすがに当面は先の目標だと受け止めていた。
  しかし直後に訪れたリハビリテーションセンター病院で友人らと再会した島袋さんは「自分こそ『(フルマラソンは)足に合う義足ができてから』と言い訳して、やりたいことをあきらめていないか」と奮い立つ。
  翌月の12月12日に開かれる大会への出走を即決し、ハワイ行きの航空券を手配した。
  大会では、歩行補助杖(ロフストランドクラッチ)を使用し、激しく痛み出す足を休ませながらの道中。折り返し地点を過ぎてすれ違う先行ランナーたちが、声援と拍手でたたえてくれた。先にゴールした黒人男性は引き返して交通整理の役を買って出て、沿道からは車のクラクションが励ました。
  「制限時間のない大会だから、あきらめさえしなければいい」という言葉通り、12時間59分29秒のタイムで完走。「足を一歩前に出せば、ゴールが一歩近づく」という力走で、出走2万5671人中、2万2384番目でゴールした。
  「3キロトリムですら心配したのに」と苦笑する妹の栗田智美(さとみ)さん(37)が、夫の宣明さん(38)とともに伴走した。智美さんは「やりたいと思ってから実行に移すスピードが、事故の前後で変わらないことがうれしかった」と話す。
  普段の島袋さんは、車検工場「ラシーマ」(西原町)の社長という経営者。半年ほど前からはビジネスの場でも半ズボンにし、あえて義足をさらす。「周りの目を気にして、行動範囲を狭めることはしたくないから」とほほ笑んだ。

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