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琉球新報 くじけずに前を見て 両足義足の島袋さん講演

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琉球新報2005年11月19日(土)朝刊23面掲載


くじけずに前を見て 両足義足の島袋さん講演 浦添市立仲西中学校

【浦添】浦添市立仲西中学校(古堅宗男校長)で15日、3学年PTA主催の講演会が行われ、両足義足のランナーとし知られる島袋勉(42)さんが「逆境から学んだこと-夢をあきらめないで-」と題して自らの経験を語った。
 自家用車のメンテナンス会社を営む島袋さんは2001年4月、仕事で訪れた千葉県内の踏切で転倒。線路に投げ出された足の上を電車が通過、ひざ下10cmを残して両足切断を余儀なくされた。記憶障害も患い、2年に及ぶ入院生活を送った。
 事故後、両足を失ったというショック、将来への不安から前向きになれなかったが入院生活中の出会いが島袋さんを変えた。さまざまな障害を抱えた人たちが入院している中で、島袋さんは「表情の明るさ、暗さは障害の程度ではなく会話の内容。表情の明るい人は将来やりたいことを話題にする。今日出来るようになったことを、どんな小さなことでも喜んでいることに気が付いた。」と振り返った。
 マラソン挑戦のきっかけはパラリンピックのビデオ。「事故の後、走ることは一番苦手だった。一番苦手なことができるようになればいい」と一念発起し、04年11月に中部トリムマラソン3kmの部に挑戦して完走。以後、義足の改良などを行い、ホノルルマラソンやニューヨークシティーマラソンなどフルマラソンを5回完走した。
 島袋さんは生徒たちに「やりたいという目標を定めること。『今出来ることは何か』考え、後悔しない生き方をすること。周りから駄目と言われても何か出来る方法があるはず。どんな逆境でもあきらめないで」とメッセージを送った。
 講演を聴き終えて銘苅彩さん=3年=は「これからの人生であきらめそうになっても今日の講演会のことを思い出し、頑張りたい」と感想を述べた。

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