産経宮崎新聞 絶対に夢をあきらめない 常に目標を持って生きる
産経宮崎新聞2007年11月5日掲載
絶対に夢をあきらめない
常に目標を持って生きる
沖縄県で車の整備会社を経営している島袋勉さん(44)は20歳の時に創業したという実力派の経営者。「中学校の頃からコンピューターが好きだったんです」の言葉通り、いち早くIT戦略を事業に取り入れて新システム開発を導入した。
しかし島袋さんのすごさは先進的な会社経営だけではない。踏切事故で両下腿を切断し高次脳機能障害(記憶障害)を負った。そこからの社会復帰を果たして会社を再建。さらにマラソンに挑戦したり富士山登頂に成功したり、すごい人なのである。
普通なら歩くことが苦手とかつらいから動きたくないとか、そう思ってしまいそうだが島袋さんは「自分ができそうもないことをやってみよう」と決心した。「周りの人の物わかりがよくなってしまうんですね。たとえば少しでも歩きやすい道を選んでくれたり、目的地の目の前まで車を回してくれたり、階段があるのにエレベーターにするとか。そうすると自分に甘くなるんです」。両足を失ってなお自分に甘えを許さない。自宅もあえてバリアフリーにせず、限りなく普通の生活をしている。「足がないからできないのではありません。夢や目標を達成するためには『できない』ということはないんです。だから島袋さんは苦手なことに進んでチャレンジするようになった。自転車は中学生までしか乗っていなかったが事故に遭ってから乗りたくなった。もっとも難しいと思われたのがマラソン。「最初は制限時間のないマラソンに参加していたんです。しかし制限時間はなくても時間が経てば道路の規制は解除されるし、そうすると歩道を走らなければなりません。歩道は段差があったり信号待ちがあったりします。なんとか車道を走っていたいと思うようになりましたたね」。いつも歩きやすい道ばかりではない。そう気づいた島袋さんは「そこで登山に挑戦しようと思いました。エベレストに登ろう!と思ったら悪い道を選んで歩くようになりました」。目標に向かって前進するエネルギーは尽きることがない。今度は100キロのウォーキングに挑戦する予定だそうだ。
「事故に遭って、いろいろな人の話を聞いて非常に助けになりました。そのときの恩返しがしたいと思って、私の話を聞きたいという依頼は断らないことに決めています」。2004年から始めた講演活動が昨年は全国を飛び回って313回もの講演を行なった。「自分のやりたいことを、やり続けていきたいですね」。今年の5月にはバンクーバー国際マラソンに参加して完走。記録は7時間20分だった。
沖縄県中頭郡西原町小那覇550-1
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