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熱海新聞 義足のランナー 島袋さん、マラソン挑戦など語る

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熱海新聞 2008年3月9日掲載 

義足のランナー島袋さん、マラソン挑戦など語る

熱海ライオンズ50周年記念し講演会

「あきらめなければ何でもできる」

 

 熱海ライオンズクラブ(嵐康一郎会長)は八日、熱海市観光会館でクラブの設立五十周年を記念した講演会「夢をあきらめない」を開いた。国内外のマラソン大会に参加するなど、義足のランナーとして知られる島袋勉さんが、闘病生活や両足義足では過去例がないとされるフルマラソンへの挑戦などについて語った。百五十人が来場した。

 

                きょう湯らくす出場

 沖縄県で自動車検査会社を経営する島袋さんは、平成十三年に踏切事故で両足(ひざ下十㌢以下)を切断した。記憶障害、複視障害などにも苦しみながら社会復帰を果たし、十六年にホノルル・マラソンを完走した。

 事故後島袋さんは両足を失ったので車いすの生活を考えていたというが、看護師に「運が良かった。義足をはいたら歩くことが出来る」といわれた。会社経営もありいち早く退院したい思いから、病院内で義足も作れる病院に移った。リハビリにあたって「足があればできる」「足がないからできない」という言い訳はしないことを決め、常に「できる方法を考える」ようにしたという。

 リハビリでは長く歩くことや走ることが課題となった。マラソンへの興味から、医師や義足のメーカーに相談すると、片足義足によるマラソンはあっても両足義足のマラソンはないと説明されたという。松葉づえを併用し、足にかかる負担を減らしながら、制限時間のないホノルル・マラソンに出場した。

 マラソン挑戦について島袋さんは「どんな苦しいことがあっても、最後までやり遂げる習慣をつけるためにやっている。あきらめずにやっていればどんなこともできる。事故に遭い、今できることを先延ばしにしてはいけないことも知った。看護師さんから言われた『運が良かった』の意味が分かった」と語った。

 講演の冒頭、熱海ライオンズクラブの嵐会長は「ハンディキャップを乗り越えた不撓(とう)不屈の精神をわれわれに語ってもらうことで熱海が元気を発揮する刺激剤になってほしい」とあいさつした。島袋さんは九日、熱海市で開かれる湯らっくすマラソン大会に出場する。

(写真)静止の状態を続けると足がしびれると言い、ステージ上で動きながら講演した島袋さん=市観光会館で

 

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