ハーブ・オータさんに出会ったことをきっかけに、ウクレレの本やCDを作ったりといった普及活動を始めたのは１９９２年の事でした。そのかいあって、現在日本では、６０万人がウクレレを持っているといわれ，たくさんのスクールやサークルが活動しています。ウクレレ人気はとどまる事を知りません。
サザンオールスターズの活動の傍ら大いに熱中し、ウクレレは僕の人生に必要不可欠な存在になりました。日本のウクレレ好きの仲間と始めたウクレレピクニックというイベントは，今や１０．０００人規模の日本最大のウクレレイベントとなりました。そのウクレレピクニックは、元はといえばハワイ島のハウ゛ィという村で開かれていたスラッキー＆ウクレレフェスティバルという小さなイベントをモデルにしたものでした。

そのウクレレピクニックが日本で１０周年を迎える記念イベントとして２００９年２月に「ウクレレピクニック　イン　ハワイ」を開催することにしました。ハワイと日本のミュージシャンが同じステージに立ち，日本から来た人たちも地元の人たちと一緒に音楽を楽しむ，そんな音楽交流イベントです。既にいろいろな団体や，会社の協力をいただき，日本からのテレビ番組や雑誌の取材も決まっていて。マスコミも注目するイベントになっています。

ウクレレピクニックという言葉自体には「平和」や「友好」「家族愛」といったメッセージが込められています。そのメッセージがハワイから世界中に広まればこんなにうれしい事はありません。
僕にとっては新たなチャレンジですが，ハワイへの恩返しのつもりで企画しました。ウクレレピクニックや、ウクレレという楽器だけでなく、ハワイからいただいたものはたくさんある、と僕個人が強く思っているからです。３０年間続けていたサザンオールスターズというバンドは今年から休息状態に入っています。僕個人は音楽を通じてハワイと日本の架け橋となるために残りの人生を使いたいと思うようになりました。そして近い将来，ハワイにウクレレミュージアムを作るという夢をぜひ実現させたいと思っています。ハワイの音楽の歴史を知ることや実際にウクレレを教わることもできる教育の場として、もちろんエンターテイメントや観光のための場所としても役立つ事でしょう。
世界中の人たちにウクレレの魅力が認められ、ウクレレ人口が拡大していこうとしている中，世界中のウクレレファンが集まるミュージアムはハワイにあるべきだと思います。ハワイにますます注目が集まり，ウクレレを通じてハワイのアロハスピリットをたくさんの人たちと共有できるようになる事を願っています。

そんな大きな夢への第一歩ともなる，この「ウクレレピクニック　イン　ハワイ」をぜひ応援して下さい。
「ハワイ文化の象徴でもある航海カヌー「ホクレア」はえひめ丸の事故後、沈没海域に行方不明者家族を運び、レイや花を投げ入れました。２００７年には日本への航海中、宇和島市に寄港し、船長ナイノア・トンプソンとクルーは水産高校を共に訪れ慰霊碑の前で献花、同校等でワークショップを開催しました。犠牲者たちの遺族の方々もハワイの人たちが示してくれた気持ちを心からの感謝とともに受け止めたそうです。そんなエピソードを知るにつれ、日本人としてハワイの人たちに僕たちの気持ちを表現したいという思いが湧き上がってきました。ホクレア号をはじめとするハワイの人たちが日本に向けて架けてくれた橋があるとしたら、今度はそれを僕たちが渡って、音楽でハワイに対する感謝を表現しなければと思ったのです。それがハワイで音楽交流イベントを、と思いついたきっかけでした。

幸いKONISHIKIさんやハワイの有名ミュージシャンたちにも賛同していただきました。「ウクレレピクニック」という名前自体が平和や友好のメッセージとして世界に伝わるきっかけになれば，とも思っています。

関口和之さんのオフィシャルブログ：湯のみ？（You Know Me)