第９３回全国高校野球選手権沖縄大会は１８日、沖縄セルラースタジアム那覇で全国のトップを切って開幕した。開会式では前回優勝の興南を先頭に、県高校野球連盟加盟の６３校が堂々と入場行進した。
　選手を代表して北山の大城大地主将が「東日本大震災でたくさんの方が被災された中、最後まであきらめない全力プレーという"種"を東日本へ届け、復興という"芽"の力強い成長を願い、ここ沖縄から全国の先陣を切り暑い夏の風を届けることを誓う」と力強く宣誓した。
　大会は順調に進めば、７月１７日に同球場で決勝を行う。 

　東日本大震災による特例措置で第９３回全国高校野球選手権福島大会（７月１３日開幕）に３校の連合チームとして出場する相双連合を１８日、中央大野球部の高橋善正監督（６７）、島袋洋奨（ようすけ）投手（１年）らが激励に訪れた。相双連合は週１回だけの練習で、１８日は福島県小野町の小野高グラウンドに集まっていた。

　中大野球部ＯＢ会東北支部長で材木店を営む佐藤文孝さん（６０）＝福島県いわき市＝が呼び掛けた。高橋監督は東映（現日本ハム）、巨人の元投手で７１年には完全試合も達成。０８年から母校の中大を率いている。島袋投手は昨年の甲子園で史上６校目となる春夏連覇を達成した興南（沖縄）のエースとして活躍。佐藤さんが「避難生活の中で野球を続けている子どもたちの励みに」と依頼し、高橋監督らが快諾した。

　相双連合は東京電力福島第１原発事故で警戒区域内の双葉翔陽（大熊町）、富岡（富岡町）、緊急時避難準備区域の相馬農（南相馬市）の部員２０人（うち女子マネジャー３人）で構成。転校などで各校が部員不足となり、連合チームを組むことに。双葉翔陽の服部芳裕監督（５２）が指揮を執っている。

　高橋監督らは１８日午後、学校が津波の被害に遭ったいわき海星（いわき市）野球部の練習にも訪れ、選手を励ます。【堤浩一郎】