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最後まであきらめない姿にスタンドからは温かい拍手

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 日本中の人が,決していい訳をしなし福島・聖光学院へのエールを送っていたと思います。

****毎日新聞****

第93回全国高校野球:2回戦 聖光、好機生かせず あきらめない姿に拍手 /福島

 ▽2回戦
金沢   000002020=4
聖光学院 000100010=2
 夏の甲子園で聖光学院は12日、2回戦第4試合で金沢(石川)と対戦し、2-4で敗れた。歳内宏明投手(3年)が14三振を奪う気迫の投球。九回には2死満塁とする粘りを見せたが、あと一歩及ばなかった。初の全国制覇はかなわなかったが、最後まであきらめない姿にスタンドからは温かい拍手が送られた。
 2点を追う九回裏。聖光学院は先頭打者の斎藤湧貴選手(2年)が左前打で出塁すると一気に盛り上がった。歳内選手の左前打で、斎藤選手が二進して好機を広げるとスタンドのメガホンをたたく音が一層強くなった。
 夕日に照らされたアルプススタンド。小雨が降り出す中、応援の声が球場にこだまする。斉藤侑希選手(3年)が四球を選び、2死満塁の好機を作ると、ここで打席に立ったのは、四回に先制の本塁を踏んだ中村星太選手(同)。金沢・釜田佳直投手(同)の2球目を打ち返すが、二塁ゴロでゲームセット。
 3回戦進出をかけた一戦は、両チームとも主戦がマウンドに立ち、一歩も譲らない緊迫した展開に。四回裏、均衡を破ったのは聖光学院。中村選手が敵失で出塁すると、芳賀智哉選手(同)が三振振り逃げ。続く遠藤雅洋選手(同)が敵失で満塁とした。打席に立った福田瑛史選手(同)の一振りは、適時打となり、先制点をたたき出した。福田選手の父、守さん(49)は「甲子園の初安打が出て良かった。勢いに乗ってほしい」と喜んだ。
 その後、金沢に逆転されるも選手はあきらめなかった。八回に福田選手から「スライダー狙うなら割り切って狙え」と声をかけられて打席に立った遠藤雅選手。その言葉通りスライダーを打ち返し意地の1点を奪い取った。
 試合後、涙で目を赤くした選手がスタンドに駆け寄ると、斉藤選手の父、拓也さん(44)は「勝つのは難しい。よく頑張った」とたたえた。歳内投手の父、信昭さん(49)は「終わりました」と言ってグラウンドを見つめた。福田選手は「歳内はチームのために最後まで投げきってくれた。優勝投手にしたかった。福島の人たちに、最後まであきらめない姿を見せられたと思う」と話した。【長田舞子、川畑展之、今井美津子】
 ◇憧れの先輩を応援
 ○...三塁側のアルプススタンドには、歳内宏明投手が所属していた兵庫県尼崎市の軟式野球チーム「猪名川エンジェルス」の選手ら約20人が駆けつけ、大きな声援を送っていた=写真。小学6年生当時の歳内投手は、体格も大きく強肩のエース。俊足でクリーンアップも務めていた。外野手の中島岳穂君(12)は「点を取られても冷静な投球を続ける歳内投手は僕たちの憧れの先輩。甲子園で優勝してほしい」とマウンドでの活躍を見つめていた。
 ◇「感動の試合、見せてくれた」 留守番の生徒ら声援
 聖光学院第1校舎(伊達市六角)の視聴覚室では12日、生徒会や卓球・バレーボール部の生徒ら約40人がテレビを前に聖光ナインに声援を送った=写真。試合前半は大会屈指の本格派右腕の歳内宏明投手と金沢・釜田佳直投手の息詰まる投手戦。歳内投手がテンポよく三振の山を築くと「よし」と声が上がり、黄色のメガホンが揺れた。
 四回裏、待望の先取点を奪うと歓声と拍手が爆発。全国制覇の思いを込めて黒地に金で「人生」と描いた折り鶴を送った生徒会の3年、秋葉(あきは)涼太会長(17)は、「簡単に勝てる相手ではないが歳内投手の球に気持ちがこもっている。優勝して被災地を勇気づけてほしい」と力を込めた。
 2点リードされた九回裏、一打逆転のチャンスまで迫ったが惜敗。女子バレーボール部の3年、古武家(こぶけ)杏奈さん(18)は、「練習できない状態で最後まであきらめずに頑張った。感動の試合を見せてもらった」とタオルで涙をぬぐった。【酒井祥宏】

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