聖光ナイン・監督・部長との交流は私にとっても毎回,励みとなっています。
福島・聖光学院野球部 斉藤監督・横山部長・・・これまでの交流は私にとっても毎回,励みとなっています。
今年も3月沖縄で会える,その時を楽しみにしています。
***毎日新聞(2013年2月5日掲載)***
「亀」のプライド:第85回センバツ高校野球 W球春・聖光学院/中 「負ける」と言われ続けたナイン /福島
◇「なにくそ」必死さ前面 部長への恩返し胸に
「昨年までは勝っても『もっと上へ』という意識からか、あまり喜びを見せなかった。今年は素直に喜ぶから初々しくて、『これは良いなあ』と思うね」。横山博英部長は穏やかな表情で語った。
昨夏の甲子園。1回戦の日大三(西東京)戦は、投手戦を2-1で制した。2回戦の浦和学院(埼玉)戦。3点先取したが、いったん相手にいった流れは取り戻せず、4-11の大差で敗れた。歴代ナンバーワンと言われたチームにもろさが出た。「劣勢をはね返すタフさがこれからの課題だ」と、斎藤智也監督は感じた。
そのチームより「力が無い」と自認した新チーム。「点数を取られるのが当たり前。失点しても慌てない」。選手たちは、秋季県大会の初戦の須賀川戦、準々決勝の学法石川戦で、先制を許したが直後に反撃した。斎藤監督も「等身大以上を求めないことで、『打ちたい』『勝ちたい』という欲が無くなり、肩の力が抜けた」と評価する。主戦・石井成(なる)投手(1年)の急成長もあり、県大会で優勝した。
相手にリードを許しても、強豪校としてのプライドをかなぐり捨て"なにくそ"と必死さを前面に戦うチームカラーが生まれた。それは東北大会準決勝の盛岡大付戦で発揮された。石井投手が二回、連打と2点本塁打で3点を先取された。横山部長は五回終了時、「次の1点が試合を左右する。我慢だ」と告げた。そして六回裏、2適時打などで2点を返すと流れが変わった。九回にサヨナラ打を放った八百板飛馬(ひゅうま)選手(2年)は「自分の力じゃなく、一人一人が声を出して、つなぐ打撃をしたから」と、チーム力の向上を感じた。横山部長はこの試合を「斎藤監督と約10年間、共にチームを作ってきたが、3本の指に入るナイスゲームだった」と評価した。
「負ける」と言われ続けたナインにとって、東北大会決勝への進出は想定以上の結果でもあった。しかし、対戦する仙台育英はスイングが鋭く、投手の球の切れも良く4-8で敗れた。園部聡選手(2年)は「コールドでもおかしくない力の差だった」と認める。
それでも、「横山部長を神宮に連れて行きたかった」と試合後、選手たちの目には悔し涙があった。2年夏まで横山部長に指導を受けてきた選手たちにとって、同大会で結果を残すことが部長への恩返しとの思いがあるからだ。その夜、横山部長は「お前たちはまだ力が無い。おれが"卒業"と認めるのはセンバツで結果を出してからだ」と言った。センバツを意識した厳しい冬の練習の始まりだった。【深津誠】
2月5日朝刊
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