宮古新報 あきらめないを習慣に
あきらめないを習慣に
障害を乗り越え挑戦
人権週間 島袋勉さん 体験談講演
第61回人権週間にちなんだ人権講演会(主催・那覇地方法務局宮古島支局)が5日、宮古島市働く女性の家で行われた。両足義足でホノルルマラソンを完走した島袋勉さんが「夢をあきらめない」と題して講演。自身が経験談や障害を乗り越えてマラソンに参加した経緯など話し、「障害を負っても自分に出来る事を考えて、夢をあきらめないことが大切。人は諦めた時何事もできなくなる」と強調。参加した市民たちは島袋さんの話しに熱心に耳を傾けていた。
講演会には島袋さんの話を聞こうと、多くの親子や障害者、関係者などが詰め掛けた。島袋さんは沖縄県那覇市に生まれ、20歳で踏み切り事故に遭い、両足共にひざ下10㌢を切断し、義足となる。長い間の闘病生活を経て、社会復帰し2004年にホノルルマラソンに出場し見事完走を果たした。その後も登山やスキーなどにも挑戦している。
島袋さんは「足がなくなったとき、無いはずの足の指が痛くなった。どうして自分がこんな目に遭うのかと考えてばかりいたとき、母から『こんな痛い思いをして何か学ばないとね』と言われた。母が何が言いたかったのだろうかと考えた時、自分が無意識に同情の言葉を期待していたことに気付いた。闘病生活の中で暗い顔をしている人は将来の不安を語り、明るい顔の人は将来の夢を語っていた」と話した。
そこから、「普通の人に近づくための努力から何かを学ぼうと考え、『ないものねだりをしない』、『いいわけを言わない』、『自分の悪いところを隠さない』の3つを心掛けるようにし、今自分に出来る事を探そうと考えた。それからは何事にも挑戦しようと思った。人は諦めた時に何事もできなくなる」と立ち直るきっかけを述べ、「自分が五体満足だったときにはそれが当たり前と思い自分の体に感謝していなかった。障害を負い自分の体の大切さを知り、同時に人の体も大切にしようと考えた」と話した。
主催者を代表して同法務局の中村正治支局長が「連日報道中学生による暴力事件によって尊い命が奪われた。自分を大切にするように人も大切にするという事をもう一度ゆっくり考えて住み良い社会を築こう」とあいさつ。
人権週間は1948年12月10日国連総会において世界人権宣言が採択されたことを記念して設けられたもの。全国人権擁護委員などが人権普及高揚のため全国一斉に啓発活動を行っている。宮古島人権擁護委員協議会も「みんなで築こう人権の世紀~考えよう相手の気持 育てよう思いやりの心~」をテーマに活動を行っている。
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これですね!掲ってましたよ!
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