１６日午前１時２５分ごろ、熊本市、宇城市、南阿蘇村、菊池市、合志市、宇土市、大津町、嘉島町で震度６強の地震が発生し、その後も震度６弱以上が断続的に発生。県災害対策本部によると、南阿蘇村や西原村などで家屋の倒壊による甚大な被害が出ている。県警は午前１１時半までに、新たに１０人の死亡を確認した。さらに増える可能性がある。１４日夜以降の死者は計１９人になった。

　１４日午後９時２６分ごろ、益城町で最大震度７を観測しているが、気象庁は「今回の震度６強が、１４日以降に発生した地震の本震と考えられる」との見方を示した。１６日午前９時までに発生した震度３以上の地震は６２回に上った。

　最初の震度６強の震源は熊本地方で、深さは約１２キロ。マグニチュード（Ｍ）は７・３と推定される。気象庁は有明・八代海に一時、津波注意報を出した。

　県警などによると、家屋倒壊による生き埋めなどが相次ぎ、益城町と嘉島町のそれぞれ３人、西原村の２人、熊本市の２人が死亡した。南阿蘇村では複数のアパートが倒壊し、住人が下敷きに。土砂崩れも発生し、黒川をまたぐ阿蘇大橋が崩落した。宇土市庁舎は半壊。八代市では火災で１人が死亡した。県内の広い範囲で多数のけが人が出ている。

　県内のＪＲは、始発から運転を見合わせ。熊本空港はターミナルビルが壊れたため、閉鎖した。九州自動車道は植木インターチェンジ以南が通行止め。国道３号など一般道の通行止めも相次いだ。熊本市などで停電や断水が続いている。

　気象庁によると、県内は１６日夜から雨が強まり、１７日は多い所で１時間に６０ミリ、合計雨量は１５０ミリに達する恐れがある。「地震の揺れが大きかった場所は地盤が緩んでいる。少ない雨でも土砂災害に警戒が必要」と呼び掛けている。