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それぞれが協力できること

リクエストがありました政府の8日発表した夏に向けての電力対策に関する節電情報とのことでこの記事のこでしょうか・・・↓

 

*****毎日新聞*****

<節電>東日本は企業も家庭も「暑い夏」になりそう

 政府は8日公表した夏の電力不足対策で、ピーク時の電力需要を、大企業など大口需要家25%▽スーパーなど小口需要家20%▽一般家庭15~20%--ずつ削減することを打ち出した。大企業には強制力のある「電力使用制限令」も発動する。家庭や中小企業には主に冷房利用の抑制などを呼びかけ、節電を「国民運動」にしたい考え。企業も家庭も節電に汗を流す「暑い夏」となりそうだ。

 ◇産業空洞化も

 真夏の電力需要のピークを前に大企業は、具体的な節電対策作りを急いでいる。ピーク需要を自主的に抑えられないと、電気事業法27条に基づき、強制的に電力使用量を減らされ、生産や営業の計画に支障が生じるためだ。

 自動車業界は、完成車メーカーが平日に順番で休業する「輪番休業」によるピーク需要の25%削減を目指していた。しかし「複数の完成車メーカーに納品する部品メーカーは操業せざるを得ず、効果的ではない」(自動車メーカー幹部)との見方が浮上。このため日本自動車工業会は、月、火曜日は電機、水・木曜日は化学など、業界単位での輪番休業を経済産業省などに提案する方針だ。

 だが、他業界が受け入れる保証はない。電機業界からは「小型の半導体から、大型の電気設備、プラントまで、操業形態が全く異なり、一くくりに輪番と言われても対応できない」(大手メーカー)との声が上がる。特に、一度停止すると、生産ラインの再稼働に1週間かかる半導体メーカーは「輪番が事実上の長期休業になりかねない」(大手メーカー)事情を抱える。ルネサスエレクトロニクスなどは電力使用が制限されても操業できるよう自家発電装置の活用も検討する。

 一方、企業ごとの節電には前向きで、東芝は夏休みの延長や事業所ごとの休日分散などによる3割削減が目標。日立製作所は「夜間操業の増加や自家発電の増設を検討中」(中西宏明社長)という。

 流通では、百貨店業界が輪番休業の実施に向けた調整を進めている。コンビニエンスストアのサークルKサンクスは、取締役会の開催場所を東京都内から愛知県の本部に移すことを議論。生鮮食品管理のための冷蔵設備の節電も課題で、屋外看板やショーケースの消灯、店内照明の削減で10%程度カットしているダイエーは「食品管理に影響を出さないことを前提に、一段の削減を図りたい」(桑原道夫社長)としている。

 鉄道各社は主に間引き運転で節電する。夏場の電力需要ピーク時の午後1~3時を中心に間引き、朝夕のラッシュ時の混雑をできるだけ緩和したい考え。冷房温度の高い「弱冷房車」も増設するとみられる。銀行業界は「店舗外の現金自動受払機(ATM)休止ですら苦情が殺到した。決済機能を損なう店舗休業は容易でない」(大手行)として、各行の自主判断に委ねる。

 第一生命経済研究所は、電力の使用制限で生産が抑制されれば、7~9月の実質国内総生産(GDP)を1兆円超押し下げる可能性があると分析。永浜利広・主席エコノミストは「夜間や西日本での生産を増やすなどの対策を急がなければ、日本経済への打撃は大きくなる」と強調。自動車や電機各社の海外移転に弾みが付く可能性もあり、「電力問題が国内の産業空洞化を加速しかねない」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次主任研究員)との懸念も出ている。【弘田恭子、谷多由、赤間清広、寺田剛】

 ◇家庭、有効策なく

 「家族はなるべく一つの部屋でだんらんし、冷房する部屋を減らす」「エアコンの代わりに扇風機」「すだれの利用で太陽熱を遮断」--。政府の電力不足対策には、このような一般家庭向け節電策も盛り込まれた。

 夏場のピーク時の電力需要を抑えるには、全体の約2割を占める一般家庭の協力も不可欠。だが、「家庭など小口需要家に強制的な電力利用削減策はとれない」(経済産業省幹部)ため、家庭の電力需要の約4分の1に及ぶエアコンに焦点を当てた具体的な節電策を提示することにした。消費活性化と「電力需要の西日本シフト」を図れるとして、「西日本へ家族旅行を」することまで呼びかけた。

 強制力のない提案を実行してもらうため、政府はメディアや学校、職場などあらゆるルートを通じた広報活動を展開する方針。

 具体的には、電力需給の逼迫(ひっぱく)状況を「電気予報」として公表し、節電の必要性を分かりやすく訴える。政府のホームページを通じて節電アイデアも公募する。また、蓮舫・節電啓発担当相は8日の閣議後会見で、消費電力の少ないLED(発光ダイオード)照明や、冷房効果を高める複層ガラスの一般家庭への導入に「補助を検討すべきだ」と述べた。閣僚からは「もう一段の節電のためには、電気料金体系を変えるべきではないか」(与謝野馨経済財政担当相)など、ピーク時の電気料金値上げを念頭に置いた発言も出ている。

 一方、日本エネルギー経済研究所は8日、東電管内で家庭のピーク需要の約23%に相当する約245万キロワットの削減が可能との試算を公表した。エアコンの設定温度を1度上げる(節電量64万キロワット)▽エアコンのフィルターを掃除(44万キロワット)▽AV機器等の待機電力をカット(38万キロワット)--などで、特に昼から夕方の節電効果が大きいという。同研究所は「電気予報など、需給状況を正しく伝え、節電マインドを促す取り組みが必要だ」と指摘する。【立山清也、新宮達】

 ◇東電の供給目標5000万キロワット

 東電の現在の電力供給能力は約4000万キロワット。東電は7月末までに650万キロワットを上積みする計画。被災した鹿島火力6号機(茨城県神栖市、出力100万キロワット)の復旧を急ぐほか、定期検査中の火力を稼働させる。タイ電力公社や韓国・現代重工業から提供を受けるガスタービン発電機も活用する。

 さらに、周波数の異なる西日本から電力融通を受けるための周波数変換装置の増強などで「何とか5000万キロワットまで積み上げたい」(藤本孝副社長)としている。

 一方、政府は、東電の現行計画では夏の供給能力が4500万キロワットにとどまると見込み、500万キロワットの上積みを目指す。だが、夏の電力需要は昨年のような猛暑なら6000万キロワットに上る。深刻な電力不足に陥るのは必至で不測の大規模停電を回避するため節電は不可欠だ。【宮崎泰宏】

 
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