母はとても苦しくなると、目を閉じると自分に負けて死んでしまうと思い込んでいるようで、必死に目を開けようとし続けるのです。必死になっているときは私が「目を閉じて大丈夫よ。死なないから。」と声をかけると「ありがとう..」と目を閉じるのです。しかしすぐ忘れてしまいますので、再び目を必死に開け続けるのです。それで美しい物を母の目の前に広げて見えるようにしたのです。目を閉じて休ませたいのですが、目を開け続けるので母の大好きなお花が見えるようにしたのです。「綺麗な花畑ね...」と、必死な表情ではなく穏やかな目で見続ける母でした。